君は私の人生の、輝く太陽。
「遥香ちゃん。どうしたの?」
おばさんは家でなにがあったのかを聞いてきた。
当たり前だ。
もう8時なのに隣の家に来たんだから。
しかも玄関で泣き始めて。
私は家であったことを全て話した。
おばさんは何も言わずに抱きしめてくれた。
おばさんは私から離れると、立ち上がった。
「おばさん・・・?」
立ち上がったおばさんを見上げる。
おばさんは少し怖い顔をしていた。
「遥香ちゃん、今日は泊まっていきなさい。お母さんには私から言っておくから。」
さっきの怖い顔が嘘のように、優しく微笑んだおばさん。
「でも・・・」
夜に押しかけてきて、泣き出して、しかも泊まるなんて。
迷惑すぎる・・・!
「大丈夫よ。遥香ちゃんが心配することは何もないから。────直斗、遥香ちゃんの事、少しの間よろしくね。」
直斗は無言で頷いた。
おばさんがリビングから出ていく。
そして、玄関のドアが閉まる音がした。
「遥香、もう大丈夫だから。」
直斗はワシャワシャと頭を撫でた。
どんどんどんどん溢れていく。
胸の中が淡い色でいっぱいになる。
そんなことされたら、抑えられなくなっちゃうよ。
直斗のそういう仕草が。
直斗の優しく包み込んでくれるところが。
直斗の笑顔も、怒った顔も全部が。
「────好き。」
私の頭を撫でていた直斗の手が止まる。
「・・・え?」
直斗の戸惑ったような声が聞こえて、私も何を言ったのか理解した。
恥ずかしい。
顔がどんどん赤くなっていく。
「────っごめん!」
耐えられなくなった私は、バッと立ち上がった。
逃げるようにリビングから出ようとして、ドアノブに手を伸ばした。
「・・・っ!?」
直斗に後ろから抱きしめられた。
「・・・なぁ、それホント?」
直斗の弱々しい声。
その声は震えていた。
「・・・直斗?」
どうしたの?
そう思って、振り返ろうとしたけれど、直斗の力が強くて振り向けない。
「・・・ホント、なのかよ?」
「────ホントだよ。」
私は目をギュッと瞑った。
「・・・俺も」
ドキドキと胸が高鳴る。
心臓がうるさい。
「俺も、遥香が好き。」
「────っ!」
顔がボッと赤くなる。
涙が滲む。
「俺と、付き合ってよ。」
「うんっ!」
直斗は私から離れた。
遠くなった温もりに、寂しさを覚える。
「これからもよろしくな!」
直斗はニカッと笑った。
~スターチス「変わらない思い」~