君は私の人生の、輝く太陽。
***
・・・緊張する。
目の前には閉じられた門。
そんなに豪勢なものでもない、ごくごく普通の玄関の前にあるやつ。
ただ、他よりも少しオシャレな構造になっているのは、お母さんの趣味だ。
「・・・遥香?入らないのか?」
隣にいた直斗に声をかけられる。
「だって緊張して・・・昨日家飛び出してきちゃったし」
バックを持つ手に力が入る。
「遥香なら大丈夫だ。」
直斗は私の頭に手を置いた。
「・・・な、直斗ってさ、これよくやるよね!」
赤くなった顔を見られないように、下を向く。
「・・・そうか?」
どうやら直斗は無意識だったらしい。
直斗は頭を捻りながら、うーん、と考えている。
「・・・あー、父さんがよくやるからかな。ちっさい頃から父さんによくやってもらってた気がする。」
確かに、おじさんは昨日、私にもこの仕草をした。
つまり、おじさんの癖がうつったってこと?
「へぇ」
それだけ言って、直斗に向いていた視線を、また、私の家に戻す。
今日は土曜日。
家にお父さんはいないだろう。
1度目を瞑る。
そして、深呼吸をしてから目を開けた。
よしっ、と小さく呟いてから門に手をかけた。