君は私の人生の、輝く太陽。
私が遥香だとは言えない。
私の本当の悩みはそれで。
でもそれは話せない。
悩みを言わないと、お母さん達を不安にさせたままになってしまう。
「・・・最近学校でね、莉心と喧嘩しちゃって」
喧嘩、と言えば喧嘩だけれど、本当は違う。
でも正直には話しにくい。
"私"の気持ちも、直斗の気持ちも、涼香の気持ちも、莉心ちゃんの気持ちも話すことになるから。
流石に、ほかの人の気持ちまで話すのには抵抗がある。
それに、"私"の気持ちをいうことも恥ずかしい。
「仲直りしたいんだけど、なかなか私からは言えなくて・・・」
別に嘘をついているわけではない。
でも、仲直りをしたいと言ったら嘘になる。
もういいかな、なんて思ってて。
莉心ちゃんとは、ちゃんとした友達じゃなかったんだ。
そう思うと、もう仲直りなんかしなくてもいいって思う。
自分の気持ちを隠して、笑顔を貼り付けて。
そんな友達は、一緒にいても楽しくない。
だからもう、私は直斗だけでいい。
直斗さえいれば、私はひとりにならないから。
「そうだったの・・・。」
お母さんは優しく笑った。
「大丈夫よ。涼香は優しい子だから。だから、きっとすぐに仲直りできるわ。」
お母さんを不安にさせずに済んだ。
私の中には、その気持ちしかなかった。