君は私の人生の、輝く太陽。
無言で手を繋いで歩く私たちを、周りの人はどう思っているのだろう。
何があったのだろう、何か悲しいことでもあったのかな、なんて思うのかな。
────いや、違う。
下げていた目線を上げれば、すれ違う人たちの顔が見える。
その人たちは、誰も私と目を合わせない。
まるで、存在しないかのように。
今までの私だったら、全く気にならなかった。
それなのに、どうして今はこんなにも悲しくなるのだろう。
本当は、直斗も"私"なんか要らないと思っているんじゃないか。
本当は、もう誰にも必要とされてないんじゃないか。
私の心は不安でいっぱいになって。
また、俯いた。
自分がどこに向かっているのか分からない。
ただただ直斗に着いていく。
ねぇ、なんで直斗はなにも言わないの?
怖いよ、辛いよ。
苦しくて、苦しくて。
目の淵に涙が溜まる。
それを零さないように、ぎゅっと強く目をつぶる。
目を開けて前を向くと、さっきよりも人が少なくなっていた。
「直斗・・・?」
どこに向かっているの?
直斗はなにも言わない。
それどころか、私のことすら見ない。
直斗も"私"のこといらない?
直斗も、涼香がいいって思ってるの?
「ねぇ、直斗・・・!!」
どうして何も言わないの。
どうして目も合わせてくれないの。
また、目の淵に涙が溜まる。
「・・・遥香」
直斗に名前を呼ばれて、ゆっくりと顔を上げた。
涙で少し歪んだ私の視界に広がっていたのは。
────満開の菜の花畑だった。