君は私の人生の、輝く太陽。
「────え・・・?」
直斗の声が、部屋に響いて消えた。
ポタッポタッと涙がこぼれ落ちる。
「引っ越すって・・・」
直斗の声がいつもより弱々しくて。
「まだ、どこかは決まってないんだけど、遠くに引っ越すって」
声が震える。
「そんな・・・」
直斗の声も、私の声も、震えていた。
私は袖で涙を拭う。
そして、笑顔で直斗の顔を見た。
「直斗、好き。好きだよ。大好きなの。」
ねぇごめんね直斗。
私は間違ってるのかな。
でも、離れて辛い思いをするくらいなら、いっその事、もう終わらしてしまいたいの。
「────だから、別れよ?」
泣くな。
────笑え。
「な、んで・・・」
直斗の瞳が揺れる。
そんな悲しそうな顔しないでよ。
「どうせ遠くに行っちゃうしさ?まだ中学生だし。だから、これからいい人に会うかもしんないじゃん?」
ねぇやだよ。
ほんとは別れたくない。
けど、遠距離で続くか分からないのに、直斗の重荷になりたくない。
「たがら、別れよう。」
涙が瞳に溜まる。
だめ、泣くな。
笑え、笑え、笑え。
「・・・分かった。」
私から言ったのに、別れるのが辛い。
別れたくない。
そんなこと思ったらいけないのに。
「────その代わり、約束をしよう。」
「約束・・・??」
「そう。」
「どんな約束?」
「それは────・・・」
~キンセンカ「別れの悲しみ」~