ベルパーソンの君が導くのは次の恋


「部長っ!この部屋って夜景が綺麗なんですか?」


もしかして私のために?


期待で頬が自然と熱くなるのを感じながら


久しぶりに二人っきりになれたその瞬間、私は〃待て〃から解放された犬のように

部長の背中に抱きついた。




「莉緒、君は本当に可愛いね。」そう言う彼の胸の位置に回した私の手を優しく撫でてくれる。



交際して一年目の今日だけは



部長を独り占めしたい。




誰に祝福されない関係でも


思いきり抱きついて、体いっぱいに部長の温もりを感じる。



今日はそれだけで


もう

幸せだった。







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