ベルパーソンの君が導くのは次の恋


心の中で秘密の花嫁衣装を身に纏った私を見て


部長の頬が弛む。



「こうして見ると、一年前より随分と大人っぽくなったな。」


まるで親戚のおじさんのような台詞に思わずふきだしてしまう。


「それを言うなら、綺麗だね。の一言のほうが嬉しい」

からかうように笑った私を見て、それもそうだ。と照れ臭そうに笑う部長。



そんな所に可愛いげを感じてしまうから

その腕にきゅっと抱きついた。


「綺麗だよ。」

「ありがとう。」


けれど、この部屋を出た瞬間には私たちは会社の上司と部下。


それが例え記念日のディナーであっても。



「つまんないの。」

ホテル最上階のレストランに向かう最中

ぽろっと漏れた愚痴に


部長は一瞬私に視線を移したけれど

聞こえないふりをしてるのか部長は真っ直ぐ前を静かに歩いていた。



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