Sだけじゃ、たりない。
「ああ、まぁね。俺がいってた学校には、始業式なんてなかった」


そんな学校もあるのか…羨ましい。

2時間目からは普通に授業をし、待ちに待った昼休みがやってきた。


「仁っ!校内案内しーーーーーーー…」


「安田くんっ私たちがこの学校を案内してあげるっ行こう〜!」


私か最後までセリフをいう前に、キャピキャピ系の女の子たちが仁の周りに集まっていた。

なんだ…あの子達に案内されるなら、私は必要ないか…。

そう思った時だった。


「いや…先に頼んでおいた子がいるから、君たちはいいや。誘ってくれてありがとう。ごめんね」


なんと、仁は断った。私との約束を覚えてくれていた。

私は驚いて仁を見る。


「え〜どうして?その子じゃなくちゃだめなの〜?てか誰」


誰、といいつつ、何かを察しているのか、女の子たちは私を見る。


「まさか、奈々?」


女の子たちの中のひとりが私を呼ぶ。
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