Sだけじゃ、たりない。
チュ……


と、唇に熱い違和感を覚えた。

12秒くらい、頭が真っ白になった。


「……え」


今何が起こったの?

夢でも見ているのかな?

私の顔と仁の顔が斜めに重なり合った。

私、今、なにされた?


「今日はこれくらいでいいよ。教室に戻ろうか」


仁は私を置いてスタスタと1人で帰り始める。

私の足は、動かなかった。

頭もうまく回転しなかった。


「…事故…ではないよね、名前呼ばれたわけだし」


だんだん状況を理解し出した私は、教室に戻れる気がしなくて、保健室でサボることにした。
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