Sだけじゃ、たりない。
「ねえ聞いてよ奈々!」


私に話しかけてきたのは、親友の【佐々木 真里奈】だった。真里奈は髪の毛がフワフワしてて、背がとても小さくて、目がぱっちりしてて、肌も白くて…とにかくすごく可愛い女の子。


「えっ何どうしたの?」


「うちのクラスに今日転校生が来るんだって!イケメンなんだって〜どうしよう楽しみ」


真里奈は目を輝かせながら、教えてくれた。


「転校生?イケメンかぁ、たしかに楽しみかも」


「なぁに?そんなに楽しみじゃなさそ〜奈々ってば〜…あっ!奈々には洋介くんがいるもんね!!」


と言いながら、おどけたフリをする真里奈。


「ちょっと、だから私と洋介はそういうアレじゃないんだってば〜」


真里奈は笑いながら「お似合いなのに〜」と言ってきた。


「やばっ先生来た!真里奈、自分の席に戻るね!またあとでね〜」


そう言うと真里奈は戻っていった。

担任の【吉岡 ムサシ先生】が教壇に立つのとほぼ同時に、ホームルームの鐘が鳴った。


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