Sだけじゃ、たりない。
「おはよう!久しぶりだな!みんな夏休みはどう過ごした?沢山思い出は作れたのか〜?」


うちのクラスの担任は、いわゆる【松岡修造】のような暑苦しい体育会系。生徒のことを1番に思ってくれているし、生徒からは信頼されていた。


「今日はな、みんなの新しい仲間を紹介するぞ〜。はいってこい!」


先生の合図と共に、転校生は入ってきた。

クラスがざわめく。


「よし!軽く自己紹介だな!」


先生が言う。


「ヤスダ ジンです。漢字はこうやって書きます。宜しくお願いします」


そう言って黒板に書いてくれた文字は、【安田 仁】だった。

ジンってそうやって書くのか〜、へえ〜。

クラス1頭の悪い私は、漢字に関心していた。


「ちょうど一番後ろの窓側が空いてるな!そこに座りなさい!横は〜…坂下奈々だな!色々教えてやってくれ〜」


私の横に、安田くんが、くるのね…イケメンと言われる安田くんが…!女子に妬まれないか不安だなぁ。


「よろしくね〜安田くん!私のことは奈々でいいから」

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