Sだけじゃ、たりない。
「それと、時間があったらでもいいから校内も案内してほしい」


「もちろんだよっ」


仁はすごく大人っぽい顔立ちや雰囲気をしているから、てっきり大人しい人なのかと思った。

なんだ…すごく普通に話せるじゃん!よかった〜仲良くなれたらいいなぁ。


「は〜い、安田仁、坂下奈々〜。ホームルーム中なの忘れないでくれよ〜」


吉岡先生に言われ、ハッとする。


「「あっ…」」


私と仁は声を揃えて、あっと言った。

すっかり忘れて、仁とのお喋りに夢中になってしまった…!


「…続きは後で話そっか」


ふいに耳元でコソッと言われた。

仁の小声が耳に焼き付く。

うそ…なにこれ、なんかすっごくドキドキする!恐るべし、イケメンパワー…!


「気をつけ!朝のホームルームを終わります!各自トイレを済ませて廊下に整列すること〜」


終わりの合図を吉岡先生がかける。
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