【改】桜の舞った夜─運命<サダメ>─



そこで俺たちは思ったことを伶香に全部ぶつけたんだ。




『これ、お前がやったんだろ』

『最近倉庫にこなかったのも、裏で手を回してたの?』

『やっぱりお前なんて信じるんじゃなかった』

『裏切り者』


『…裏切り者はこの族にはいらねぇ。出てけ』




暴言の嵐が止んだ時、俺たちが見たのは涙を流す伶香の姿だった。

その姿に一瞬戸惑い、視線をそらす。



俺たちは伶香が「やってない」って言っても、それはもう嘘だと確信していた。


…でも、伶香の顔が本当に無になったのは、チラッと伶香が柚莉の顔を見た時だ。



その時柚莉はビクッと体を揺らしたので咄嗟に姿を見えないように庇う。




『本当に、やってない…信じてよ……っ』


『っ、こいつ追い出せ』



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