【改】桜の舞った夜─運命<サダメ>─



《雪火 side》



蓮「……なんだったんだ」


昴「…なんだったんでしょう…。
急に席を立ったと思ったら、鞄掴んでものすごい速さで教室を出ていった…」



短時間に予想もしないことが立て続けに起きると、人間は放心状態になってしまうのか。

昴はそんなことを思った。



蓮「というか、あいつ、なんか…」



雰囲気が、あいつに似てる…そう言いたかった蓮だが、寸のところで食い止めた。

あいつは、もう雪火とは関係ない。

そう思うと余計に言葉が出なかった。



続きを言わなかった蓮に昴は疑問に思うが、蓮が顔に浮かべている表情を見れば、思っていることなんてすぐにわかった。



昴「…(大方、裏切り者の伶香さんのことを考えているんでしょう)」



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