【改】桜の舞った夜─運命<サダメ>─
学校中の生徒は、昨日繁華街に出現したという"桜舞"というやつの話題で騒がしかった。
…私の存在に気づくことすら、しなかった。
それはそれでありがたいんだけど、イヤホン越しに聞こえるってどんな大声で話してんだよ、ってなるよね。うん。
騒がしい廊下をただひたすら無心で歩いて、自分の教室が目の前に迫った時だった。
突如、クラスの前の奴らが会話をやめた。
そこから伝染し、階段から教室まで繋がる廊下1本が無音。だけど再び騒がしくなった。
…だけどその騒がしさは、別の意味。ヒソヒソ話す奴らの目は、私の方を向いている。