仮に君と恋をしたなら
無理。そんなの出来るわけないし。
「悪いけど、それはやっぱり無理かな。真山にも聞いてみないと」
とにかく、真山にも断ってもらおう。私だけじゃ弱い。
「真山ー!今度、写真撮らせて」
「写真?悪用されたくねーしなー」
いいぞ、真山!そのまま断るんだ!
「しないしない。ウチら写真部だから。実都と一緒に撮るだけ、ね?」
「あー、そうなん?そういうことなら、いーぜ」
「ありがとう!」
バカなのーーーー?!
全然良くない!全然分かってない!
今の説明でお前は一体何を理解したんだ?!
趣旨伝わってないし!
「彼氏から許可下りたよ」
「ヨロシク!」
笑顔が怖い。女子怖い。
そして、ノートは全然写せていないのに、1つ休み時間は潰れてしまった。
私は昼休み、真山がプリンを用意しようとも、ご機嫌斜めを貫いてやると決めた。
「なー、山田!こっち向かねーの?照れてんの?」
私は真山の頭を鷲掴んで爪を食い込ませた。
「お前の目は飾りか?飾りなのか?!」
「痛い、痛い痛い!冗談です!分かってるって。アレだろ?写真がコンテストに流出されんのが嫌なんだろ?」
「それも、もちろん嫌だけど。問題はそこじゃない!」
「そー、カリカリすんなって。ん」