仮に君と恋をしたなら



真山はプリンの蓋を開けて、スプーンでプリンを適量すくい上げて私の口に放り込んだ。



「一旦、落ち着けよ」



落ち着けるか!



「うまいか?」

「う…、」



うまいけど!



「とりあえず食え。話はそれからな?」



プリンは美味しいけど、それどころではなかったのに、いつの間にか真山のペースだ。




「んで?何?」

「コンテスト…テーマが愛なんだって」

「え。愛って…、あの愛?!」

「あの愛」



真山は動揺した。

ほら、困ってる。



「俺らで愛をテーマに撮るってこと?!」

「そーいうことなんでしょ?」

「俺らの愛って…何だよ?」

「そんなもん、ないわよ。偽カップルなんだから」



これが問題だよ、真山。



「どーすんだよ?!」

「だから、困ってるんじゃん!悠たちが撮影は来月から1ヶ月密着型でするからそれまでに親睦深めとけとか言い出すし」

「1ヶ月も?!なげーな」



真山が容易に返事しちゃうから、向こうはもうその気だし、やるしかない…よな…

え、やるって何を?!


え…?


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