仮に君と恋をしたなら
2. 恋人カンサツ
「山田、行こうぜ」
真山が私の席まで迎えに来た。
真山は何でこんなに私と対照的な表情をしているんだろう。
「どっか行くの?」
紫が真山に聞いた。
「おう…、デ、デートに」
照れるくらいならそんな単語を口にするなよ。こっちまで恥ずかしい。
「順調そうで何よりね」
「あ、そうだ。大塚!ノート、サンキューな」
真山は紫の後ろに居た悠が視野に入り、一瞬、忘れていたのを思い出して、カバンから借りていたノートを出して返した。
「アブネ、持って帰るところだった」
私もまだ写し終えてないけれど、今日中と言われていたので紫にノートを返した。
「ありがとうございました…」
紫がノートを受け取るが、私の手がなかなかノートを離さない。
「何、写せてないの?私も悠も明日、順番で当たるしな~」
「俺、写せたから貸してやるよ。今日当たるはずだったけど廊下に居たから抜かされたし。明日は当たらねーだろ」
真山の見づらいけど…仕方ない。
「…あ、ありがとう」
「急いで写したから、見づらいかもしんねーけど」
え、アレより?!
…帰りにまたファミレスに寄って見間違いのないように本人のいる横で写そう。
「じゃーな、山田、行くぞ」
そして、私たちはアウェー(デートスポットである公園)へ向かう。