仮に君と恋をしたなら
「紫、帰りに新しいノート買うの付き合って」
「良いけど。それ、まだ使えるじゃん」
「うん。でも、使わないでとっとく」
「…悠、あんた…」
悠はニコリと笑った。
「へへ、内緒ね?」
「…でも、大丈夫?やっぱりコンテストの被写体、別で頼む?」
「いい、いい!それは撮りたいの。このテーマだからこそ、私にしか撮れないものがある気がするんだよねー」
「分かった…」
紫は悠の気持ちを悟り、それ以上は踏み込まなかった。
「近くに文具店あったっけ?」
「んー、帰り道ちょっとそれたとこに」
悠はノートをカバンに大事にしまい、紫と共に教室を出た。