仮に君と恋をしたなら
真山って人見知りとかしないよな…。中学の時に、初めて同じクラスで隣の席になった時も、よく話し掛けてきて、いつの間にか親友と呼べるくらい仲良くなってた。
誰にでもフランクに話せる真山を少し羨ましく思う。
「何処の学校っすか?」
「あ、僕ら県外から来たんですよ」
「県外から?すごいっすね~、あ。そこに並んで下さい」
真山は和やかな雰囲気で他県のカップルの写真を数枚撮っていった。
「ありがとうございます。そちら彼女さん?と一緒に撮られますか?撮りますよ?」
「だってよ、山田。撮ってもらうか!」
彼女さん…彼女、そうか…私は今、真山の彼女なんだ。恋人ごっことはいえ仮でも付き合っているということは、彼氏彼女の関係。
今、初めてちゃんと…少しだけ実感したかもしれない。
他人様から、ここにいる真山の彼女して見られて彼女としての扱いを受けることは、やはり少し戸惑う。それに恥ずかしくもある。
しかし、それを何とか受け入れてみようとしている自分がいる。