仮に君と恋をしたなら




「出来んだろ」



言い切った…。

真山は私と恋人になるビジョンが見えるの?



「俺ら、付き合ってなくてもそう見られてんだから、聞かれたとき動揺せずに肯定すれば良い話だろ?」



そういうもの?なんか、違う気もするけど。
そういうことでいいの?



「わかった。するよ」

「お、おう…」



あれ、変な空気…なってない?大丈夫?



私たちは恋人ごっこを始めることにした。
不安だ。既にやっていける気がしない。



視線の先、渡り廊下でカップルがイチャついていた。私たちはそれを見て互いに自分達をトレースして想像した。



「ない」

「ないな」

「違うもんな」

「うん」


んー・・・前途多難。



「建前だしね」



そう、私たちが特に何か変わる訳じゃない。同意で恋人と認知するというだけ。

先生が適当に教室に呼び戻してくれて、実験に途中参加するなかで早速、真山と遅刻してきたことについて班の女子に聞かれた。



チャンス!



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