仮に君と恋をしたなら
「よく跳んだな。ちょっと跳びすぎだ」
そう言って、頭を2回ポンポンと押さえた。子供のように私があやされてしまった。さっきまでと立場が逆転だ。
子供のように無邪気にブランコをバカ高く揺らして遊んでいた真山が、こんなにガッシリした身体をしていたなんてことも初めて知った。
足に力が戻り、私は自分の足で地面を踏みしめて立つ。
「ご、ごめん。ありがとう…」
「怪我はないな?」
「うん。おかげさまで」
「あと…色々…ふ、不可抗力だからな!」
真山はいきなり頬を染めて照れた。
「何が?」
「だ、だから…何でもねぇよ!」
あぁ!胸のこと!
…や、それはむしろ私が顔面に押し付けてしまったようなもので、真山に非はない。私が痴女と思われていないだけありがたい。ごめんね、真山。
「あ〜っと…真山、割と力あるね」
「え?」
「私も思いの外、勢いよく飛びついちゃったから、一緒に倒れ込んじゃうんじゃないかって思って…」
「俺、そんな頼りない感じ?」
あれ、言い方がまずかったのかな?褒めようと思って言ったんだけどな。
「全然!ただパワーに驚いたっていうか…」
「余裕とか言ってやりてーけど、踏ん張ったんだよ!絶対、怖がらせちゃいけないと思って」
そんなメンタルフォローまで考えてくれていたのか。