仮に君と恋をしたなら




「廊下で真山と何話してたの?」

「んー、今後の関係について」

「それって…」

「うん。付き合うことになった」



周辺、会話が聞こえていた人が皆、過剰反応した。



「えーーーーーー?!」



え…?

想像していた反応と違った。
今まで否定してきたからかな。もっと「やっぱりそうなんじゃん」とか「だと思った」とかそれくらいに思っていた。

そもそも、皆どういうつもりで「付き合ってないの?」とか「好きにならないの?」なんて言ってきたの。可能性があると思ったから聞いてきたんじゃないの?


何、この反応…驚きすぎじゃない?



「何だどうした?」



先生が声の上がった方を気にかける。



「何でもないです」



授業は続行した。
そして、恋人宣言をすれば放っておいてくれるかもしれないという淡い期待は一瞬で砕かれた。



「え、今?!廊下に立たされてる間に?!」

「どっちから?真山?山田さん?!」



目をギラつかせ、前のめりでグイグイと迫ってくる。
完全に作戦失敗だ。もう辞めたい。

しかし、宣言してしまった手前引っ込みがつかない。




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