仮に君と恋をしたなら
3. 体育祭
「おはよう、山田」
「あ、おはよ」
門のところで小宮に声を掛けられた。
「真山は一緒じゃないの?」
「やっぱり、一緒に居ないと変?昨日真山も迎えの話してくれたんだけど、悪いからって断っちゃった」
「そうなんだ。や、俺はラッキーだけど。じゃ、俺が勝手に迎えに行ってもいい?俺なら悪いと思わなくていいし」
「え?!や、えっと…あの…」
小宮は私の反応を見て笑った。
「冗談だよ。そんな困んないで」
「あ…ごめん」
「今日みたいに見かけたら声かけてもいい?実はひとつ前の信号から山田に気づいてたんだけど、声かけていいものかって…」
「あぁ!それは、もちろん!」
小宮も家の方向同じなんだ…。
「良かった。迷惑そうな反応されたらどうしようって内心ビビってたんだ」
「するわけないよ!私、…断っちゃったけど、小宮のことは嫌いじゃないから!」
「! …ありがとう。そんなこと言われたら調子乗る」
あれ?もしかして期待させるようなこと言った?そういうつもりじゃなかったんだけどな。
「え?や、だからといって好きというわけじゃ…」
「分かってる。言わないでよ。ぬか喜びくらい良いでしょ?」
本当に、私のこと…好きなんだ、この人。