仮に君と恋をしたなら
「実都、おっはよ!」
「わ!」
悠が後ろから私に飛びついてきた。紫がそのまた後ろから悠を注意した。
「おどかすなよ。実都おはよ」
「おはよ…二人とも」
「実都、浮気?」
「違うよ。門でたまたま会っただけ」
悠が小宮をジロジロと見る。
「あ!花壇で実都に告白してた人!」
「え?何で知って…」
私は告白現場を写真部の人間に見られていたことを小宮に話した。
「実都には彼氏がいるので失礼しまーす!」
「ちょっと、悠…?!」
悠が私の腕を引っ張って、小宮を置き去りに走っていった。紫が軽く小宮をフォローして私たちの後をマイペースに追いかけた。
「助かった?」
「え?」
「困ってそうに見えたから。私、救世主?」
悠、助けてくれたのか。
困っていたつもりはなかったんだけど、端からはそう見えたのかな。
悠なりに気遣ってくれたんだ。
「ありがと。でも、小宮は友達だから大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないよ。…あの人、実都にまだ気があるじゃん!」
話、聞かれてたのかな。
「真山が心配する…」
ああ。悠は真山が気にすると思って、私と小宮を離すような真似をしたのか。