仮に君と恋をしたなら



悠は元々真山に好意があって真山と私のことを応援してくれると言っていたから、真山が気にすると思うことは特に敏感なのかもしれない。

でも、もし、私が小宮とくっついたら悠は自分が真山にいけるとは思わないのかな。そこまで真山に執着はしていない…?



「実都、あんまり彼氏以外の男と仲良くしてると、反感買うかもよ?」



紫が合流して、そう言った。



そっち?私の身を案じてのパターン?!どれだろう…どれもか、はたまた全部違う…?ああ、分からない…!

とにかく、共通しているのは小宮と仲良くするなということ…だよね?



「うん、気をつけるよ」



私はどうしてこうも疎いのだろう。恋愛に関しては特に常識とされることまで全く分からない。

全くというわけでもないか。少し考えれば、彼氏がいて他の男子と仲良くしていたら彼氏にヤキモチを妬かれるとか、それくらいのことは分かる。多分悠はそれを危惧してくれた。そして、紫はおそらく好意を持ってる第三者からの反感を危惧してくれた。

それもあると思う。でも、それだけ?きっとそんな単純なことじゃない。言葉が言葉のままの意味合いだけを意図してるとは限らないし。

本当にそれだけならいいと思う。気を付けようとも思うし。でも、他意を含んでいるなら私にはその察知能力が足りていない。




< 64 / 95 >

この作品をシェア

pagetop