仮に君と恋をしたなら



「私のことは悠(ハルカ)って呼んで。で、こっちが紫(ユカリ)」

「わかった」



私はこの度同じ班になった女子、大塚悠(オオツカ ハルカ)と前川紫(マエカワ ユカリ)と友人になった。

話してばかりで授業放棄していた私たちと同じ班の男子が、しっかり実験を進めてくれていた。



「ごめん、片付けはウチらやるから」



紫が男子に声を掛けているのを見て、単純に良い子だと思った。

昼休み、いつもの場所で真山が購買から戻るのを待ちながら、グルグルと考えを巡らせた。

グラウンドを見渡せるベンチに寝そべり、グラウンドではなく空を見上げ、流れる雲を映した。



「いるじゃん!居ないかと思った」

「あ、おかえり」



空との間に真山が割って入ってきた。
購買で買ってきた袋を私の顔面に軽く乗せる。



「ちょっ!」

「何、寝てんの。踏むぞ」



私は上体を起こして席を空けた。



「たまごサンド売り切れてた。ハムカツで良い?他トマト入ってたから」

「うん、さすが。私もカフェオレ売り切れてたからミルクティー」



互いの好みは大体把握している。



< 8 / 95 >

この作品をシェア

pagetop