仮に君と恋をしたなら
中学の時からドリンク担当とフード担当の役割分担をしていた為、高校でもそのまま引き続き物々交換している。
「化学ん時、何騒いでたん?」
「ん?真山と廊下で何話してたか聞かれて、付き合うことになったって言った」
「ブーーーッ!!」
真山は口に含んだカフェオレを吹いた。
「もー、もったいないなー」
「言ったの?!」
「うん、試しに。そしたら、余計にグイグイ来てさー、挙げ句の果てに仲良くなった」
「は…?!何だそれ」
私はペットボトルの水でタオルハンカチの端を少し湿らせて差し出し、真山は吹いたカフェオレの服に飛び散って染みになった部分をそれで処理した。
「サンキュ。同じ班のやつ?」
「うん、大塚悠と前川紫」
「ふーん、良かったな」
悠が真山を狙ってたことなんて知らないんだろうな。真山そういうの疎そうだし。
「そいつらと昼食わんでいーの?」
「真山も一緒に?」
「いや、俺は…」
「真山いないならいーや。真山と食べる」