涙から好きへ
授業もまともに受けられずに迎えた放課後。

手が、ものすごく冷たい。

大丈夫、諦めよう。きっぱり振られよう。

思えば思うほどむなしくなってくる。


「た、高宮くん!ちょっと、いいかな?」


いけ、わたし。頑張れ、わたし。

「あ、鈴野。良かった。忘れられてたかと思った。いいよ、もらう。合コン行くんだろ?」


「…へ?わたしは、行かないよ?」

なにか、ずれてる?


「え、だって昨日友達としゃべってたじゃん?合コン行くって。それに、帰りも合コンにって…」

友達って百合ちゃんのこと?

え、え、違う…。

「合コンに行くのは百合ちゃんだよ?」

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