涙から好きへ
「わたしね、わたし、好きなの!」


唐突だったかな。振られるかな。

わからないけど、口から出てしまった以上取り消せない。


「鈴野、なにが?」

フッと意地悪そうに聞く高宮くんは、わたしが何を言いたいのかわかってるんだ。


ずるいよ、かっこいいよ。

「た、高宮くんが…好きなの。」

消えてしまいそうなほど小さな声。


恥ずかしすぎて溶けちゃいそう。


「うん、俺も。俺も好きだよ。鈴野じゃなくて杏果のこと。」


「うそでしょ?」

これは、夢?信じられない。


目の前でわたしの大好きな高宮くんがわたしの大好きな笑顔でわたしに好きって言ってくれた…。
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