涙から好きへ
同じクラスの高宮くんは、かなりモテる。その上、美亜ちゃんの幼なじみである。

わたしに、勝率なんてない。
でも、彼は優しくてこんなわたしにも声をかけてくれる。


わたしが、学校に行けばおはようって言ってくれる。

帰るときにはバイバイって言ってくれる。

きっと、美亜ちゃんはいい気がしないんだろうけどわたしにとってはかけがえのないやり取りなんだ。


「杏果!かーえろ!」

わたしのところにやってきた友達の百合ちゃんにうんと頷いて鞄をもって後ろのドアから出ようとする。

まだ、美亜ちゃんたちの話が聞こえる。

「絶対、高宮も好きだよー!幼馴染なんて絶対そーなる運命だって!」

「そんなことないよ!」

美亜ちゃんもまんざらでもないんだな。

余裕なんだなぁ。
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