涙から好きへ
放課後になるといつも通り百合ちゃんと帰ろうとした。

明日のバレンタインの話でもして帰ろうかななんて思ってたりする。



なのに…

「杏果ちゃん、ちょっといいかな？」

なぜか、美亜ちゃんに声をかけられた。

遠くからみるよりも綺麗で細くてつい、ボーッとしてしまった。


「杏果ちゃん？聞いてる？」

ハッ！と我にかえると美亜ちゃんは可愛らしく笑っていた。


「うん、どうしたの？」

あまり話したことがないからやっぱり緊張しちゃう。

人見知りを治したいなぁ。




「唐突だけど、楓のことどう思ってるの？」

「え？高宮くん？」

楓と言うのは高宮くんのしたの名前で、まさか高宮くんの話を出されるとは思ってなかった。

「高宮くんは、優しい人だと思う。わたしにも声をかけてくれるし…いつも笑ってるし、素敵な人だと思うよ。」

なんでこんなことを聞くのかわからないけど…思っていることを吐き出した。

「好き、ってこと？」

美亜ちゃんのその質問でわたしの顔が赤くなるのがわかった。
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表紙・目次

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