軍人様とキケンな婚前同居⁉︎
「そんなことより、今日のご予定は?」
「え?」
「学校が終わった後に、何かご予定はあるのですかと聞いてます。」
幸次郎さんはそう言って
その長く素晴らしい足を組みながら
優雅に紅茶を手にする。
この仕草すら輝かしく美しい…って、そうじゃなくて!
「特にありませんけど…
何でそんなこと聞くんですか?」
「婚約者の身を守るのは当然のことですから。そのための情報です。」
…と
またしても さも同然といった顔で
そう言われる。
私は「はぁ…」と返事をするけど
あんまりピンときてない。
身の安全をって…
そんな狙われてる身でもないのに
心配しすぎじゃ…。
「───それと。」
「?」
そんなことを考えていると
不意に幸次郎さんが紅茶を置いて
私へ口を開いた。
そして
まるでこちらを射抜くような視線を
私へ向ける───。
「っ……。」
「…当然心得ているとは思いますが…
隙だらけの貴方に、言っておきます。」
幸次郎さんはそう言うと
椅子から立ち上がり
私の方へ…歩み寄ってきた。
それから私の目の前までやってくると
私の顎に指を滑らせ
クイッ、と 軽く自分の方へと向けさせる。
「くれぐれも、"浮気"はならさぬよう。」
そして─────
まるで忠告をするように
私へ そう告げた。