軍人様とキケンな婚前同居⁉︎
「こ、幸次郎さん…っ?
何でそんなに怒ってるんですか…っ。」
「………。」
車内で 私の隣に座る幸次郎さんに
私はそう尋ねる。
しかし幸次郎さんは
完全黙秘というか無視というか…
何も言わずに、窓の外へ視線を向けたまま
私の方など一瞥もせずにいた。
…車内の威圧感と気まずさが、すごい。
(幸次郎さん何で怒ってるんだろう…。)
私何かしたのかな?
でも、普通に栗と帰ろうとしただけだし…
別に変なことは何もしてない。
すべていつも通り、普通だ。
(まったく意味がわからない……っ。)
心当たりもなく
私は仕方なく黙ったまま
車が家に着くのをじっと待つ。
───そしてまもなく
車が、家の前で停車した。