軍人様とキケンな婚前同居⁉︎
そして家に到着するなり腕を掴まれて
そのまま引っ張られるようにして
家の中に入っていくと
リビングのソファへ
強く体を突き飛ばされて
そしてそのまま…彼に馬乗りされるような形になる。
────もちろん、私はパニック。
「っ…ちょ、幸次郎さんっ!
いきなり何す───」
「悪いのは貴女ですよ、有梨様。」
「……は…」
え?と、私は思わず眉を寄せた。
校門で会った時もそうだったけれど、
幸次郎さんは私に
何やら怒りを感じているようで
でもそれが何なのか、私には分からない。
そんな風に
私が困惑して黙っていると
幸次郎さんは冷たい視線を私に向けたまま
当然、グッ---と私の顎を掴み
自分へと私の視線を…固定させた。
そしてその瞳を細めながら
私の方へと 顔を近づける。
「あれほど念を押して、浮気するなと言っていたのに……こんなすぐに破るとは。」
「…え?!」
「1番いけないのは…その自覚がないことですが。」
またも訳の分からないこじ付けをされ
私は思わずそんな声を上げた。
う…浮気?!私が?!い、いつどこで?!
ま、全く身に覚えがないんですが?!
「わ、私がいつ誰と浮気を…?!」
「あの男に決まっているでしょう。
…仲良く男と2人きりになるなんて、貴女は全く危機感というものがない。」
私がそう尋ねると
幸次郎さんはすぐにそう返してきて
私はそれにまた目を見開き、
今度はちゃんと反論する。
「く、栗は私の従兄ですよ?!
血が繋がってるんですよ!!家族です!!」
「関係ありませんね、そんなこと。
今は従兄だって 婚約者の対象になれるんですよ。」
────でもやっぱり、彼には敵いませんでした。