軍人様とキケンな婚前同居⁉︎






私がそう言って栗に訴えると

栗は飴をカラカラと鳴らしながら



「はぁ…」とため息を吐いてくる。








…な、何よ。

何でそんな呆れた顔するのよ。









「な、何?
言いたいことがあるなら言ってよ。」

「……いや、何かお前って何も考えない女なんだなと思って…。」

「ちょっと!何も考えないって何よ!」








ちゃんと考えてるじゃん、今だってほら!







「私のどこが何も考えてないの!」

「いや、そんなことじゃなくて。
女ってほら 自分の利益考えんじゃん。」

「利益?」

「ん。ほらさっき俺が言ったみたいに
『イケメンだから』とか『金持ちだから』とかさ。」









栗がそう言ったのを聞いて

私はそこでやっと言葉の意味を理解した。




考えてないって、そういうこと?









「お前はそーゆーの気にしないの?
何か…肩書きっていうかさ。」

「うん、別に。」

「……あっそう…。」









私がそう言うと
栗は何かを諦めたようにそう呟いて

軽く何度も私に頷いてくる。






な、何よ?
何でそんな悟った顔するのよ!?









「わ、私はもっと優しい人が良いんだもん…っ!」

「うん、そうかそうか。すぐ会えるよ。
そこら辺歩いてナンパして来りゃすぐにでも。」

「ちょっと!」









完全に私に呆れて馬鹿にしてくる栗。




私が言ってるのはそういうことじゃなくて

ちゃんと自分で選んで
好きになった人と結婚したいってことなの!








「栗のバカ!
栗なら分かってくれると思ってたのに!」

「あーごめんごめん、ふざけすぎた。
だからそんな怒るなよ。」

「知らない!栗のバーカ!」









自由の身の栗には私のこの気持ち分からないよ!




私がそう言ってそっぽを向くと

栗は再びため息を吐いた。







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