軍人様とキケンな婚前同居⁉︎
衝撃の事実に頭を混乱させていると
彼、幸次郎さんは
仕方ないといった様子で
面倒臭そうに顔をしかめて……
ん?面倒臭そうな顔?
「………何も説明してねェのかよ…。」
「…あ、あの?幸次郎さん……?」
ポロっと、本音をこぼすような声が
私の耳に届いて
私は思わず彼の名前を呼ぶ。
すると幸次郎さんは
先ほどと同じようなクールな表情に戻って
私に、静かに説明し始めた。
「私と貴女は許嫁の関係なんですよ。
両親達が定めた、ね。」
「……親の決めた……許嫁……。」
私は彼の説明を聞いて
再び呆然とする。
……いつの間に、そんな契約……。
(私……幸次郎さんと会うの初めてなのに……。)
勝手にそんなことを決められていたなんて
全く知らなかった。
───今までそんな話題すら無かった。
(……あ……でも……。)
昔から、『彼氏は作るな』とは
言われ続けてたなぁ…。
………。
(こ、これが理由だったのか────!!)
私は目の前の幸次郎さんを見ながら
そう心の中で叫ぶ。
自分が今まで青春を禁じられてた理由が
ここでやっと発覚した。