-ZERO-
【現実】

「あぁ、もうこんな時間か...」


そう言って月鬼...

改め鬼島 ライト (おにしま ライト)はヘッドギアを頭から外しベットへダイブする

鬼島 ライト17歳

-ZERO-歴代最強プレーヤー

ゲーム廃人の現役女子高生

現在時刻
水曜日の11時48分

遅刻というには遅すぎる時間

しかし彼女にはそんなことは関係ない

それは彼女が引きこもりだからである

「流石に四徹はキツかったか...」

頭痛がする頭をおさえながらライトはベットから起き上がりゲームの電源を切る

「うぷっ...あ〜腹減りすぎて気持ち悪い」

ボサボサの髪を近くにあった輪ゴムでしばり、フラフラとおぼつかない足取りで
一階にあるキッチンへと向かう

当然家には誰もいない
弟は学校へ行っているし
母は仕事
母子家庭なので父親はいない
祖父母は元々自分達とは違う所に住んでいるから論外だ

「ゲッ...何もねぇじゃん」
カップラーメンもないし、冷蔵庫を隅々まで探したが冷凍食品すら見当たらない

母はライトのカップラーメン以外は買いだめしないので元々冷蔵庫のものは少ない
しかも今日はそのカップラーメンすらない

今はそんな母の性格を恨む

空腹を満たすためには買いに行くしかない
しかし引きこもりのライトにはそこのコンビニに行くのでさえ辛い

「いかねぇとダメだよなぁ...このままじゃ死ぬ!餓死する!」

女子高生が自宅で餓死!少女の身に何があったのか!?

と頭の中で自分がテレビのニュースになるアホみたいな妄想をしながら部屋にある財布を取って家を出る

「あ"ッづい"!」
現在の季節は夏
引きこもりの彼女の体にはこたえる
「ダメだぁぁ...餓死する前に干からびるぅ」
そんなことある訳無いのだが
「早く帰ってご飯食べたい、寝たい、ゲームやりたい」

そんなことを言っているうちにコンビニへ着いた

外とは違ってクーラーの効いたコンビニに入ると今度は逆に寒いくらいだった

棚の近くにあった籠をとりカップラーメンコーナーへ向かう
カップラーメンコーナーに着くと籠に次々と放り込んでゆく

母親から貰う小遣いはあまり使わないため
お金はある
だから値段は見ない

ついでに好物の牛印ヨーグルトの新しい味が出ていたのでそれも籠に入れる

「アボカド味のヨーグルトって...」
なんとも言えない新商品だがヨーグルト好きなら食べておかないとという謎の使命感

レジで会計を済ませ、コンビニを出る

夏なのにライトの顔は青白いそれとフラフラ歩く感じがお化けのようだ
「あ、あれって鬼島じゃね?」
コンビニと自宅の丁度中間に来たところで耳に障る高い声が聞こえた

その声に体が反応する
ライトが一番会いたくない相手だ

「あ〜やっぱり鬼島だぁ」
振り返るとニヤニヤしながら化粧の濃い3人組が近づいてきた

かん高くそれでいて絡みついてくるような喋り方に吐き気がする

「ねぇおにしまぁ、ちょっと来てくれるかなぁ?」

ライト何もできずに路地へ連れてこられいきなり蹴りを入れられた

「ぐっ...げぇぇ...ゲホッゲホッ...ハァハァ」
腹の中には何も入っていなかったので胃酸が出てきた
喉が焼けるみたいな感覚になる

「げっきたなぁい...てかあんたまだ生きてたんだぁ」
ほかの2人よりも化粧の濃い
姫野 キララがそう言いながらまた腹を蹴ってくる

「ぐぇっ」
吐き出すものが無くなったのか胃液は出てこない、その代わりに潰されたカエルの様な声が出た

そうライトが引きこもりになったのはこいつらのイジメが原因

主犯格姫野キララ
金魚の糞みたいにキララにいつもくっついている
水樹 ルウ(みずき ルウ)
白城 瞳(しらしろひとみ)

「いまさぁお金無くて困ってんの、あんた買い物帰りだよね?お金くれない?」

ライトが頷く前に財布からお金を抜き取る

「うわ少な、余計な労力使っちゃったねー」
とキララが言うと他のふたりが
「そうだねキララ」
とルウ
「キモイしもう行こうよ」
と瞳
「じゃぁね、おにしまぁ」
とキララ

そう言って3人はライトの前からいなくなった

「あ〜最悪、もっと気持ち悪くなったし」

落ちていたカップラーメンを拾い集めてライトは帰路につく
ヨーグルトは変形していたが中身は出ていなかった
道はそこまで長くは無いが今日はとてつもなく長く感じた、家に着くとどっと疲れた感じがする

「とりあえず飯食お」
今日はさっきの事で少し袋が破れていた
カップラーメンを食べることにする

そして食べ終わると自分の部屋へ行きライトはベットで眠りについた

コンビニで買ったヨーグルトは...

正直まずかった

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