-ZERO-
ヴェルアの森

ライトとヨルトはケンタウロス討伐のためにヴェルアの森へ訪れていた

「なぁヨル、ここさっきも通った気がするんだけど」
「い...いや!通ってない!.......はず」
目が泳ぎ出すヨルト
「もしかしてヨル...迷っ「ってなぁぁぁぁぁい!」
「お、俺が迷子になんかなるはずが...なるはずがぁ...」

ライトは方向〇痴を必死に否定する弟に哀れみの目を向ける

「ヨル、もう諦めて認めろよお前は方向音...」
ライトが言葉を切る
それに気づいたヨルトが姉に問いかける
「姉貴どうし「しっ!...静かに」」

ヨルトはいきなり様子が変わったライトに戸惑うが、姉が周りの音を聞いているのに気付き、ヨルトも耳をすます

タタッタタッタタッ


微かに蹄が地面を踏み鳴らす音が聞こえる

「ヨル、お前は方向〇痴じゃないみたいだな」
「あ、当たり前だろ!」
「狼狽えてたクセに(笑)」
「姉貴うるせぇ早く行くぞ!」

そう言って走り出すヨルトの後をライトが追う



音が聞こえた方向へ行くと、馬の様な蹄の跡を見つける

「足跡からするに2頭だな」
そして足跡を追ってまた2人は走り出す

「ヨル、バテんなよ!」
「あぁ!分かってる!」
そう言っているがヨルトの速度が少し落ちてきている

ケンタウロスは移動速度が早い、離されない程度に走ってきたが、ヨルトがバテてきているので少しずつだが距離を離されている

「体力は温存するに越したことはねぇけど、今はしょうがねぇか」
そう言って少し後ろを走っていたヨルトの元へいき、ヨルトをかつぎ一気に速度を上げる
「うぉぉ!?離せ姉貴自分で走れるっ!」
「うるせぇ!今バテられると追いつけねぇんだよ!」

しばらく走っていると前に討伐対象のケンタウロスが見えてくる

「追いついた、でも少し遠いな」

ライトは少し考えると、何か思いついたのか、ヨルトの方を見て、問いかける
. . .
「ヨルト、お前飛べるか?」
「あぁ、飛行魔法使えば飛べ「なら良かった!」」

答えを聞き終わる前にライトは抱えていた弟の胸ぐらを掴み、全力で.....投げた

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
. . .
物凄いスピードでケンタウロスに飛んで行くヨルト

「このクソ姉貴がぁぁぁぁぁぁぁ!」

そう叫びながらケンタウロスの1頭に突っ込んだ
ケンタウロスがバランスを崩し倒れる

ケンタウロスから離れたヨルトが草むらへ転がっていった

片方に異変が起きたのに気づいたもう1頭が戻って来てライトに、持っていた槍で突きを放つ

それを軽くあしらい、後ろへ飛んで距離をとる

相手の力量を図ろうとした時

「今回はもう我慢の限界だぁぁあ!」
草むらから現れたヨルトに遮られる
「なぜ投げた!?あぶないよね!?」
「ケンタウロスを足止め出来たし結果オーライだろ?」

「あぁ...もう...いいや」
ヨルトは変な悟りを開いてしまったようだ

「ヨル、今は目の前の奴らに目を向けたほうがいいっぽいぞ」

いきなり後ろをから襲撃を受けたケンタウロスはブチギレていた

「フゥゥウッ!フゥゥウッ!」

息荒くこちらに突進してくるケンタウロス

「気引き締めろよヨル!後方支援頼んだ!」

そしてライトは敵へ向かって走り出した















< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop