-ZERO-
-流石にAランクなだけあるな-
思っていたより素早い攻撃に手こずるライト
「姉貴!俺もうやばいかもっ」
1頭を足止めしていたヨルトから声が上がる
ヨルトに気を取られ、相手が出した攻撃の対応が少し遅れ、槍の刃がライトの脇腹を掠める
「やべっ...やっぱり痛いな」
少し距離を取り、脇腹を触ると血が出ていた
自分の攻撃を仕掛けようと思い剣を構えなおそうとしたライトは体の異変に気づく
「あ〜体痺れてきたし、毒塗ってあったのか」
徐々に体に痺れが広がってきているライト
「早くかたをつけないと、どっちもやられるよな」
向こうで足止めしているヨルトに目を向ける
防御魔法を使い、相手に対抗しているヨルトだが、魔法陣にヒビが入っているのを見るともう長く持ちそうにない
ライトはふらつく足にムチをうって、勝負を決めに行く

相手との距離を一気に縮め、剣を横に薙ぐ
しかし槍の柄の部分で止められてしまうが、すぐに体制を立て直し、素早く後ろに回り込み蹴りを入れると、相手は3m程の吹っ飛び地面に叩きつけられ、手から槍が離れる
チャンスを逃すまいとトドメを刺す


パリーン


トドメを刺すと同時に、魔法陣が壊れた音がする

ヨルトの魔法が破られたのだ


「ヨルっ!」

もう1頭のケンタウロスがヨルトに剣を振り下ろそうとしていた

ライトは、ケンタウロスめがけて持っていた剣を投げるが間に合わない



ヒュン



風を切る音が聞こえ、ケンタウロスが動きを止めた
ケンタウロスを見ると、急所にナイフが1本刺さっている


「今の、姉貴がやったのか?」
ヨルトはライトに問いかける
「いや、違う」
と、否定するライト

パチパチパチ


拍手が聞こえた方に目を向けると、道化師の覆面を被った男が近づいてくる

「いやぁ、見事な戦いぶりだった、特に君は」

そう言ってライトの方を見る

「誰だよ、お前」

強気な態度でライトは相手に問う

「あぁ失礼、先に名乗っておかないとね」
ヘラヘラとした態度で自分の名を名乗る
「ボクは、覆面ギルドZirkus(ツィルクス)のギルドマスターをやっている、シヴァというものだ、よろしくね」

「それで、ギルドマスターが何の用だ?」
いきなり現れた男に警戒心を顕にするライトに、ギルドマスターの男...シヴァが自分の目的を告げる

「単刀直入に言わせてもらうよ」

「君に...」

「君に、9(ノイン)の座について欲しいんだ」



















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