[完結]甘やかし王子様が離してくれません。
友達っていう関係と似た距離を保ちたい。
わたしはショーウィンドウに並んでいるぬいぐるみに足を引かれるふりをして、そっと先輩の手からすり抜けた。
「先輩、このなまけもののぬいぐるみ可愛くないですか?」
「いや、普通あの奥にあるうさぎとかハムスターのぬいぐるみに目がいくでしょ。…本当、ましろっておもしろい」
口元に手を当ててクスクス笑う先輩を見て、やっぱりわたしは思ってしまった。
先輩が、こんな風にずっとわたしの隣にいてくれたらいいのに。