[完結]甘やかし王子様が離してくれません。
「降参です。答え教えてください」
「諦めるのはや!!……まあ、いいけどね」
唯衣先輩はそう言って、わたしの耳元に唇を寄せた。
優しく甘い声音が耳の中で直接響いた。
“欲しいのはお前だけ”
……唯衣先輩。
わたしも恥ずかしがらずに言えるようになったら、きちんと先輩に伝えますね。
わたしも、欲しいのは唯衣先輩だけです。
わたしははじめて自分から、唯衣先輩の指と自分の指を絡ませるように手をつなぎ直した。