[完結]甘やかし王子様が離してくれません。
「でも、わたしは後輩で先輩は先輩です」
「俺、そういう年功序列とか気にしないから」
その言葉に、わたしはまた吹きだしてしまった。
そのうちに、わたしの中でくすぶっていたものすごい自己嫌悪の黒いもやはほんの少し薄れていった。
……薄れたら、いけないものかもしれないけど。
部屋に戻ると、テーブルの上も床も綺麗になっていた。
「あのっ、ありがとうございます!!」
そう言って頭を下げると、「いいのいいのー」と言ってわたしに向かって『布巾ここにあるから大丈夫!!』と言ってくれた先輩が笑った。