嘘つきは恐怖のはじまり


心太くんだ、あの子は違う小学校だけど前から話題になっていた。


見た目がぽっちゃりしていることからいじめられていたらしい。


「ぼ……ぼく、今日宿題忘れました」


「え?」


「なんだよ、急に立ってそれかよ。驚かせるなよ」


「意味わかんなーい」


みんなが口々にいった。


その瞬間だった。


「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


心太くんの体がいきなり燃えたのだ。


「きゃぁぁぁぁ!!」


みんなが叫んで心太くんから離れる。


火だるまになった心太くんはしばらくその場でもがく。


その数秒後、黒くて大きなかたまりが床にドスッと落ちた。


火は燃え移ることなく消えたのだ。


「心太くんが、燃えた……?」

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