嘘つきは恐怖のはじまり


放課後、私は予定よりも10分はやくついてしまった。


嬉しすぎて、待ちきれなかったからだ。


「ごめん待った?」


「大丈夫だよ!」


楓ちゃんと一緒に来たのは、3人の女の子だ。


一気にこんなに友達が増えて嬉しい。


「じゃあ行こっか」


楓ちゃんが席をみつけてみんなで座った。


「1席しかあいてないね…私探してくる!」


「その必要はないから」


楓ちゃんの周りにいた女の子がそういった。


「え、でもこれじゃあみんなでできない…」


「アンタさぁ、もしかして宿題みんなでやると思ってる?」


「え?」


「あんたが私たちの分もやるの。」


「遊ぶんじゃなかったの?」


「は?誰があんたみたいなやつと遊ぶんだよ。」


「あんなのあんたに宿題をやらせるための嘘に決まってるでしょ?」


本当に嬉しかったのに、すごくショックだ。


「……私、やりませんから。」


そう言って、走って逃げてしまった。

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