嘘つきは恐怖のはじまり
嘘つき


……1日目……


「おはよう!」


教室に入ると香奈が椅子に座っていた。


「あ、美羽おはよう」


「どうした?なんか元気なくない?」


「いや、元気ないっていうかアレみて」


香奈の視線の先には、私達とは違う小学校からきた愛海ちゃんがいた。


「…でさ、そのあとキスされちゃって!人いっぱいいるっていうのにさぁ」


机に座って写真をひらひらさせている。


その周りで5人の友達が聞いている。


「うわっイケメン!」


つい声がでてしまった。


「あの写真の人、東京に住んでる彼氏だって〜。本当なのかな?」


香奈は意地悪な顔でいう。


「嘘なわけないでしょー」


「いやー、でも」


「もしかして香奈、羨ましいの?」


「そ…そんなことないし!」


ふてくされて香奈が頬を膨らませた。


確かにあんなイケメンの彼氏がいたら自慢したくなるかもしれない。


「愛海ちゃん!ちょっと来て!」


廊下で誰かが呼んでいるみたいだ。


「いいよー…あ、続きはまた今度ね!」


と、楽しそうにいう愛海ちゃん。


愛海ちゃんが教室からでていくと、まわりにいた人たちがしゃべり始めた。

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