私の王子様はあなただけ
開店時間になり、レストランの中に入ると高級感の中にもクリスマスのオーナメント。料理はどれも美味しそう。荷物を置いてすぐに料理を取りに行った。

やっぱり、最初はローストチキン。そして、お皿いっぱいにお料理を乗せて美味しい美味しいと頬張った。


「ねぇ、真琴。覚えてる?お父さんがお母さんにプロポーズしてくれた話」


「もちろん、覚えてるよ」


美味しいご飯を食べたあとは、デザート。やっぱり外せないのはイチゴのショートケーキ。後は、クリスマスのケーキ、ブッシュドノエル。ケーキは別腹とたくさん乗せて、他愛ない話をしながら堪能していると、お母さんが突然、思い出したかのように切り出した。


もちろん覚えてる。聞いたとき、いつもは、がさつで口の悪いお父さんとは思えないプロポーズで私もいつかそんな風にプロポーズしてほしいと思っていたから。


クリスマスイヴの日に、高級ホテルのスイートルームでのプロポーズ。まさに王道だけれど、憧れのプロポーズ。


そう言えば、篤にその話をしたら「俺は無理」ときっぱり言われたな。まあ、期待はしていないし、今日だって、クリスマスプレゼントも用意してくれてるとは到底思えないけど。
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