青春アンサー
「ほーら、早くしないと昇降口閉められるから。
ちゃちゃっと行って来ちゃえよ。」
…素直に白状するしかないのか。
いや、でも。ニヤニヤ馬鹿にしてくるのが超余裕で想像できる。
そんなの絶対に嫌…でも、この状況での単独行動も死んじゃう!!!
そんな葛藤を1人で繰り広げていると___
「えっ!?美羽…あれ!!!」
「ひゃぁっ!!!!」
突然藤くんが大きな声を出した。
なになになに、無理。無理です。
いい子にしますから誰かお助けを…!!
「ぶふっ!!!」
ぎゅっと目をつぶって掴んだままだった藤くんの腕にとっさに抱きついていた私。
…ん?なんで笑ってんの、コイツ?
「美羽…ほんとお前最高。
怖いんなら怖いって最初から言えよ(笑)」
ハ メ ら れ た 。
「…最低。」
「いいと思うよ、うんうん。
ひゃぁっ!って…ひゃぁ…くくっ…」
こっちはすっごい怖い思いしたのに!!!
「ありえないんだけど!!」
「え、なに美羽泣いてんの!?」
言われて初めて自分の目からぽろぽろ涙が溢れていることに気付いた。
恥ずかしいやら怖いやら悔しいやらで感情が爆発した。
「…ないて、ない!ばか!!」
「いやいや、誰がどうみても泣いてるからそれ。笑」
私を泣かせてなお、楽しそうに笑ってる藤くん。ゴミだ。人間のクズだ。
と思ったのも束の間。
「一緒に行ってあげるよ。ごめんって。
ほら、行こ。もー泣かないっ!」
優しく私の頭をぽんぽん撫でて、スッと手を繋いで引っ張っていく藤くん。
…なんだ。気遣い出来んじゃん。
「…最初からそうしろばか。わかってたでしょ。」
「まぁな。笑
意外と美羽が女の子っぽいのわかったわ。」
「意外とは余計。」
「はいはい。笑」