青春アンサー
「要望には答えたでしょ。文句は受け付けない!」
「いや、ちょっと、美羽!」
「それよりー、バレーの方はどうかなぁー?」
体育館の2階から試合を観戦していた私達。
今居る第一体育館はバレーとバスケの試合会場になっていて、真ん中がネットのカーテンで仕切られている。
バスケの方から少し離れ、バレーを見に行く私に柚葉が慌ててついてくる。
「棒読みだし!!大して興味ないの知ってるから私!!!」
「いやいや、バレー大好き!!興味無いわけない…し……」
どんどん尻すぼみしてった私のセリフ。
「なに、どした?美羽??」
柚葉がなんかいった気がするけど、まったく頭に入ってこない。
だって。
………かっこいい。
「ねぇ!今試合やってんのって1年だよね!?
何科???」
「建築…かな?と機械科B組だと思うよ??
どーしたの急にそんな「ネット挟んで手前側はどっち!!」
食い気味に質問をぶつける。
「…建築、だけど、美羽さっきから人の話聞いてる??」
ごめん柚葉。聞いてるけど答える余裕が無い。
だって____
「見つけちゃった… 。」
「はぁ?見つけたって何を…?」
私の断片的な言葉だけじゃその意味を理解できるはずもなく、柚葉が私の固定された視線の先を追う。
「まさか…そういう……?」
「うん、そう。そのまさか…」
"一目惚れ" 。
そんなの一番信用していなかった。
あるわけないと思ってた。
今日までは。
各クラスクラスTシャツを作るこの行事。
青のポロシャツのユニホーム姿の彼。背中にはN.Yの文字。
同じコートに立っている子達に比べて比較的細身。
髪も襟足を刈り上げてトップに少しパーマを当ててるのかセットされて今風な印象。