星に恋した。
~俊の心の中~
休憩室に向かう途中で廊下から「君をさがしてた」という曲が聞こえてきた。
休憩室の扉を少し開いて中を覗くと音楽を聞きながら泣いている彩名がいた。
俺は、どうして彩名が泣いているのかすぐにわかった。
俺は、誰にも言ってないことがある。
俺が好きなのは彩名だということだ。
でも、彩名は俺のことなんか好きじゃない。
彩名の視線の先にはいつもゆーがいた。
俺が告白しても彩名の答えはわかっている。
でもよ…
彩名が悲しむ顔だけは見たくねぇんだよ。
いつもいつもあいつはゆーのことで泣いてんだ。
抱きしめてやりてぇって思った。
諦めろよって言ってやりたかった。
でも、5年経った今でも彩名はゆーのこと好きなんだって思った。
彩名の中に俺はいない。
ゆーの代わりはできないんだ…
だからよ…
俺は、彩名を見守ろうと思う。
もし、彩名が俺のほうへ来てくれるなら俺は受け止める。
だから、彩名には幸せになってもらいたい。
~END~